地域医療連携業務において、課題点や重要視していることはありますか?
当院は急性期病院として、スムーズな転院を進めていくことを重要視する必要があると考えています。 高齢化が進む中で、急性期病院として地域から求められていることは次の3点だと考えます。
- ➀高度かつ専門的な医療の提供
- ➁重症救急患者に対する医療の提供
- ➂自宅や後方病床等への退院支援する機能
➂については近しい指標として在宅復帰・病床機能連携率があるかと思いますが、急性期一般入院料1の施設基準では80%以上とされているところ、当院は97%とその基準を満たしており、必要な退院支援機能があるといえます。
しかし、十分な在宅復帰率を満たしていても、退院支援について何の問題もないわけではありません。次の表は65歳以上、75歳以上に多いDPCコードで高齢者・後期高齢者がどのような疾病で入院しているのかを分析した表です。
誤嚥性肺炎について全国の平均在院日数では20.51日ですが、当院では31.04日と約10日長く入院されているという結果が出ています。退院先や施設、転院先の内訳などを分析したところ、療養型病院への転院のケースで在院日数が50.5日とかなり長い日数になっており、平均在院日数を押し上げている要因だとわかってきました。
このように、当院の課題の一つは、療養型病院への転院を円滑にし、平均在院日数を短くしていくことであると考えられます。
また、当院では救急受入率が高いです。救急患者を受入れた上で、その患者様がどんな薬歴を持っている方なのか、お薬手帳だけでは分からないこともあるかと思います。
そこで、当院では近隣の薬局との薬薬連携を進めています。かかりつけ薬局があると休日、夜間の救急時も、かかりつけ薬剤師へ連絡することで、正確な薬歴、アレルギー歴、副作用歴等々の情報を得ることが期待できます。
患者様に“かかりつけ薬剤師”を持っていただくことで救急医療にもかなりプラスの影響があるため、当院では積極的に“かかりつけ薬局”を持つ事をおすすめしています。近隣の薬局との連携を通して、病院のニーズと調剤薬局の未来像を共有することで、薬薬連携の重要性を再認識して連携強化に繋げていきたいと考えています。